「毛周期」という言葉を、聞いたことはありますか?
多くの医療脱毛・脱毛サロンでは「毛周期」に合わせて、施術を行います。毛周期を無視した脱毛はコストがかかるばかりでなく、肌トラブルのリスクにも繋がります。
今回は、毛周期の解説とベターな脱毛時期、キケンなセルフ処理の方法などを詳しく解説。
前半は毛周期の基礎知識と適した脱毛の時期について、後半は脱毛にまつわる疑問などをご紹介します。
この記事を読むことで、最短距離でツルスベ肌を手に入れるタイミングをしっかり理解できることでしょう。
効率的に脱毛ができる!「毛周期」って?
「毛周期」とは、毛が生え変わる周期のことを言います。髪の毛やまつ毛は自然と抜け落ちることがありますが、これが毛周期が変わるタイミングです。
毛周期にはいくつかの段階がありますが、脱毛に適切なのは「たった一つの段階」だけです。適切なタイミングを逃してしまうと、思うような脱毛効果を得ることができません。
効果的に脱毛するために毛周期を理解する必要があるのは、適切な脱毛タイミングを逃さないためです。
毛周期は「成長期・退行期・休止期」の3つに分けられる
毛周期には、「成長期」「退行期」「休止期」の3つの段階があります。
成長期 | 退行期 | 休止期 | |
毛の状態 | 毛根にある「毛母細胞」が活発に細胞分裂を繰り返す 皮ふの中で毛が成長する 毛のメラニン色素が多い | 毛の成長が止まる毛が抜け落ちやすくなる 毛のメラニン色素が少ない | 毛が毛根から完全に抜け落ちている |
脱毛の時期 | 適切 | 適さない | 不向き |
退行期は、毛が抜けやすいため脱毛時期に向いているように感じますが、それは間違いです。医療レーザー脱毛では、メラニン色素に反応して脱毛を促しています。
退行期は、成長期と比較して毛のメラニン色素が少なく、レーザーやフラッシュの反応が悪くなります。同様に、毛根もない休止期は、レーザーやフラッシュがほとんど届かず、不向きな時期となります。
つまり、効果が得られる脱毛を実感できるのは「成長期」のみです。成長期の毛を狙うことで、効果的な脱毛が期待できるでしょう。
成長期はどのくらいのペースで来る?
成長期から休止期に入り、次の成長期が来るまでの期間は、部位によって異なります。
部位 | 成長期 | 休止期 |
顔 | 4ヵ月~1年 | 2~3ヵ月 |
腕 | 3~4ヵ月 | 4~5ヵ月 |
ワキ | 4ヵ月 | 3ヵ月 |
足 | 4ヵ月 | 6ヵ月 |
VIO | 1~2年 | 1~1年半 |
頭髪 | 2年~6年 | 3~4ヵ月 |
成長期は部位により異なり、短くて数ヵ月、長ければ数年にもなることもあります。
例えば、腕であれば3~4ヵ月成長期が続いて、その後抜け落ち、4~5ヵ月の休止期を迎えます。休止期が終わると、また成長期が始まるため、最初の成長期から次の成長期が来るまで7~9ヵ月かかる計算です。
毛周期は、頭髪やVIOのように毛が濃く、長く伸びるものはサイクルが長くなるのが特徴です。したがって、VIO脱毛では、他の部位よりも脱毛期間が長く必要になります。
毛周期が他の部位よりも長いため、施術後しばらくしてから、休止期に入っていた毛が生えてくるためです。
部位ごとに毛周期のサイクルが異なるため、全身脱毛では、効果的に脱毛できるタイミングを見極める事が大切です。
毛周期は自分で分からない
残念なことに、毛周期は自分では見分けることができません。
毛周期を自分で見分けることができない理由は、次の2つがあります。
- 見た目での判断が難しい
- 生え変わりの周期は、毛穴ごとにバラバラ
成長期の毛は、基本的に目に見えてしっかり生えている毛です。ただし、見た目にしっかり生えている毛でも、すでに退行期に入っている可能性もあります。
どのような医療用機器を使用しても、どの毛が成長期であるか見分けることはできないのです。
また、毛穴1つ1つは異なるサイクルでめぐるため、すべての毛が同時に成長期に入る、ということはあり得ません。すべての毛のうち、成長期の毛は10~15%ほど、多くても20%ほどです。
脱毛に何度も施術が必要になるのは、多くの毛が退行期もしくは休止期で、一度にアプローチできる毛が少ないためです。
毛周期に合わせた適切な脱毛間隔は1~3ヵ月おき
毛周期に合わせたベストな脱毛期間は1~3ヵ月おきがおすすめです。
それぞれの部位に応じて、脱毛に適したタイミングを以下の表にまとめました。
部位 | 最適な脱毛間隔 |
顔 | 1~2ヵ月ごと |
ワキ | 3ヵ月 |
腕・脚 | 2ヵ月 |
VIO | 2ヵ月 |
全身 | 2~3ヵ月ごと |
部位により脱毛間隔は異なるのですが、間をとって、1~3ヵ月おきに通うのが良いでしょう。
毛ごとに正確な成長期を判断するのは困難なので、効果が得られる確率を高めることが大切です。ただし効率的に脱毛するつもりが、度重なる施術でかえって非効率になることもあります。
「まとめて1~3ヵ月おき」とある程度の脱毛期間を決めることで、成長期の毛を逃さず効率的に脱毛効果を得られます。
毛が薄くなってきたら間隔を空けるのがおすすめ
毛が薄くなってきたなと感じるようになったら、間隔をあけて脱毛するのがおすすめです。
脱毛の回数を重ねていくと、徐々に毛の量が抑えられ、生えるタイミングがゆっくりになってきます。頻繁に施術を受けても、毛の多くが成長期に入っていない段階でアプローチすることになり、効果はあまり得られません。
毛が濃い時は1~2ヵ月などこまめ通い、薄く、目立たなくなってきたら3ヵ月以上間隔を空けると良いでしょう。
適切な間隔を空けることで毛周期に合わせた施術で脱毛できるため、肌へのダメージも少なく、スムーズに脱毛を完了させることができます。
脱毛周期を理解したところで、どのクリニックやサロンで脱毛しようか迷われている方は、脱毛サロンのおすすめ10選や医療脱毛のおすすめクリニック12選を参考にしてみてください。
毛周期を無視した脱毛が危険な理由
毛周期を無視した脱毛は、2つのリスクがありおすすめできません。
- 脱毛効果が減る
- 肌トラブルが発生する
また毛周期がわからないからと言って、間隔を空けずに施術を受けても短期間で脱毛が完了するわけではありません。
2つのリスクについて詳しく解説いたしますので、ぜひ参考にしてください。
脱毛効果が減る
毛周期を無視して施術を受けると、脱毛効果が減ります。
レーザーやフラッシュによる施術で効果を得られるのは、「成長期」の毛です。
退行期や休止期に入っている毛が多い状態では、施術を受けてもあまり効果がありません。
早く脱毛したいからと言って短いスパンで施術を受けても、効果を得ることができなくなってしまいます。
また毛周期を意識して脱毛することで、結果的に1回の脱毛で得られる効果は高くなるでしょう。
肌トラブルが発生するリスクがある
脱毛の施術の際には、肌トラブルが発生するリスクについても確認しておくことが大切です。
脱毛機はレーザーやフラッシュの熱で毛根のメラニン色素を破壊するため、短期間で何度も施術を受けると肌への負担が大きくなります。
脱毛後の肌は熱を持っているため、やけどや色素沈着などの肌トラブルが起きることもあります。
肌トラブルを起こさないためにも、脱毛後の肌は保湿ケアを徹底するなど対策するようにしてください。
毛周期が乱れる原因と対策
毛周期を意識した効率的な脱毛に大切なのが、毛周期を「乱さない」ことです。
間隔を守って脱毛を続けていても、毛周期が乱れてしまうことで効率的な脱毛を足止めしてしまいます。
毛周期が乱れてしまうのは、日常の些細な行動です。
日常生活を見直すことで毛周期の乱れを防ぎ、美肌効果も期待できるでしょう。
ホルモンバランスが乱れている
ホルモンバランスの乱れにより、毛周期が乱れることがあります。また、強いストレスも毛周期を乱す原因になり得ます。
ホルモンバランスや毛周期を乱す原因は、食生活や睡眠不足、過度なストレスです。
適度な運動や意識的に休息をとるなど、ストレスを溜めない生活を心がけましょう。
また、食生活ではタンパク質やビタミン、ミネラルをバランス良くしっかり摂ることで、毛の成長を促すことができます。
毛に十分な栄養が行き渡らないと、すぐに毛が退行期に入ってしまい十分な脱毛効果が得られません。
ホルモンバランスを正して、健康的な生活を目指しながら、効果的に脱毛することが大切です。
セルフ処理で毛抜きをしてしまった
毛抜きによるセルフ処理も、毛周期を乱してしまいます。
レーザーやフラッシュは、毛根のメラニン色素を狙って照射します。
毛抜きで毛根ごと毛を抜いてしまうと、メラニン色素がなくなり、脱毛効果が得られなくなるでしょう。
毛周期が乱れて、しばらくの間、レーザーやフラッシュの照射を受けられなくなってしまいます。
脱毛施術中は、毛根を取り除くような毛抜きや脱毛用のワックスによるセルフ処理は止めましょう。
どうしてもセルフ処理が必要になった場合には、シェーバーを使ってやさしく除毛を使用してください。
脱毛についてのよくある質問
脱毛についてのよくある、以下の質問についてまとめました。
- 脱毛施術の間隔が空いてしまうと効果はなくなる?
- 毛周期を無視して脱毛しても大丈夫?
初めての脱毛や脱毛の期間が空いてしまった場合など、悩みや疑問を抱える人はぜひ読んでください。
Q1.脱毛施術の間隔が空いてしまうと効果はなくなる?
1回目の脱毛を受けてから、2回目の照射までは間隔を空けないようにするのが望ましいです。
2回目までは施術前と同じくらい毛量が生えてくるため、期間を空けすぎるとしっかりと脱毛できなくなってしまうためです。
3回目以降であれば、しばらく期間を空けても良いでしょう。
(参考サイト:https://will-b.clinic/hair-removal-interval)
次の照射までに成長期の毛がしっかりと生えそろうため、効果が少なくなる心配はありません。
ただし、長い期間脱毛に行けなかった場合、再び成長期を逃してしまう可能性があります。
効率的に脱毛をするには、できる限り間隔を空けすぎず、生えそろうタイミングを逃さないように通うとよいでしょう。
Q2.毛周期を無視して脱毛しても大丈夫?
毛周期を無視した脱毛はデメリットが多くあります。
短い間隔で施術を受け続けても効果はあまり得られず、肌へのダメージや費用のムダにもなります。
毛周期に合わせた脱毛をすることで1回の施術で得られる効果が高く、肌トラブルのリスクを下げることができます。
毛周期に合わせて、効果的に肌トラブルリスクの低い脱毛を目指しましょう。
毛周期にあわせて、効率的に脱毛しよう!
今回は、毛周期についての基礎知識とよくある質問等について解説しました。
- 毛周期には「成長期」「退行期」「休止期」がある
- 脱毛に最適なのは「成長期」
- 退行期や休止期の毛は「メラニン色素」が薄く、効果を得にくい
- 毛周期のサイクルは部位によって異なる
- 脱毛に通うベストな間隔は「1~3ヵ月おき」
毛周期を理解して、より効率的に脱毛をしましょう。
毛周期を意識して脱毛に通うことで、より効率的にムダなコストをかけずに脱毛を完了させることができます。
今回の記事を参考に、スムーズな脱毛を目指しましょう!
この記事の監修者
女医によるファミリークリニック院長
難病指定医
キレーション認定医
小児慢性特定疾患指定医
子どもの心相談医
高濃度ビタミンC点滴療法認定医
金沢医科大学医学部出身。
自身の出産をきっかけに「家族みんなを診察できるクリニックをつくりたい」という想いから、女医によるファミリークリニックを開業。
ロート製薬 お肌のお悩み相談室 質問相談 担当医など、雑誌やTVなど多数メディアに出演経験あり。