「顔や手に白い斑点が出てきて、どんどん広がっている気がする」 「授乳中だけど治療できる?それとも断乳まで待つべき?」 「市販薬で様子を見てもいい?それとも今すぐ病院に行くべき?」
白斑治療で最も多い後悔は「もっと早く正しい情報を知っていれば」というものです。
この記事では、皮膚科を診察する医師の視点から、白斑治療の選び方・授乳中の注意点・費用の現実・治療開始のタイミングまで、実務レベルで解説します。読み終える頃には、「自分は今、何をすべきか」が明確になっているはずです。
白斑は、皮膚の色素を作る細胞「メラノサイト」が何らかの原因で破壊され、皮膚の一部が白く抜けてしまう病気です。日本では人口の0.5〜2%、つまり100人に1〜2人が発症するとされており、決して珍しい病気ではありません。
多くの患者さんが「スキンケアを怠ったから?」「ストレスのせい?」と自分を責めますが、白斑の発症は、あなたの生活習慣や努力不足が原因ではありません。
現在考えられている主な原因は以下の通りです。
本来、体を守るはずの免疫システムが、誤って自分のメラノサイトを攻撃してしまう現象です。甲状腺疾患や糖尿病など、他の自己免疫疾患を持つ方にやや多く見られます。
特に注目されているのが、T細胞(リンパ球の一種)による攻撃です。白斑部分の皮膚を詳しく調べると、メラノサイトを攻撃するT細胞が集まっていることが確認されています。これは、体が自分自身と戦っている状態と言えます。
実際、白斑患者さんの約20〜30%が、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や甲状腺機能低下症(橋本病)、1型糖尿病、関節リウマチ、円形脱毛症などの自己免疫疾患を合併していると報告されています。
家族に白斑の方がいると発症リスクは高まりますが、必ず遺伝するわけではありません。複数の遺伝子が関与する「多因子遺伝」と考えられています。白斑は、特定の一つの遺伝子異常で発症する「単一遺伝病」ではありません。現在までの研究で、50以上の遺伝子が白斑の発症に関わっていることが分かっています。これらの遺伝子は、免疫機能、メラノサイトの機能、酸化ストレスへの抵抗力など、さまざまな働きに関係しています。
紫外線や精神的ストレス、外傷などが引き金となり、メラノサイトにダメージを与えることがあります。
「酸化ストレス」とは、体内で発生する活性酸素(フリーラジカル)が、細胞を傷つける状態のことです。活性酸素は本来、体内に侵入した細菌を殺すなど重要な役割を持っていますが、過剰に発生すると正常な細胞まで攻撃してしまいます。
メラノサイトは、メラニン色素を作る過程で大量の活性酸素を生み出します。健康な状態では、体内の抗酸化システムがこれを処理しますが、白斑患者さんではこの処理能力が低下していることが研究で明らかになっています。
白斑には大きく分けて2つのタイプがあり、それぞれ治療アプローチが異なります。
全体の約90%を占めるタイプ。左右対称に広がる傾向があり、顔、手足、関節部分などに多く現れます。進行スピードは人によって大きく異なります。
神経の通り道に沿って、体の片側だけに帯状に現れるタイプ。比較的若年で発症することが多く、進行が止まりやすい特徴があります。
「自分がどちらのタイプか分からない」という方は、まず皮膚科の診察を受けることをお勧めします。正確な診断が、適切な治療への第一歩です。

「まず市販薬で試してみたい」という気持ちは理解できます。しかし、白斑治療において知っておくべき現実があります。
白斑治療の標準的な枠組みは、外用薬・光線療法・(必要時)外科療法で構成されています。これらは医師の診断と処方、専門機器を必要とします。
市販薬として入手できる保湿剤やビタミン剤は、あくまで補助的な位置づけです。白斑の本質である色素細胞の機能低下に直接働きかける市販薬は、現時点では存在しません。
こんな状態なら、今すぐ受診を
受診タイミングの判断基準
「市販薬で治せるか」ではなく、「今が進行期か安定期か」を知ることが先決です。それを判断できるのは専門医だけです。
白斑治療には、いくつかの選択肢があります。症状の程度、範囲、進行状況、そしてあなたのライフスタイルに合わせて、最適な組み合わせを選んでいきます。
炎症を抑え、免疫反応を調整することで色素の再生を促します。顔や首など、皮膚の薄い部分には弱めのステロイド、体幹部には強めのステロイドを使い分けます。
メリット: 自宅で手軽に使用でき、比較的早く効果が現れることがある
デメリット: 長期使用による皮膚の萎縮(薄くなる)のリスクがある
費用(保険適用・3割負担)
免疫を調整する作用があり、特に顔面の白斑に効果的です。ステロイドと異なり、皮膚萎縮のリスクが低いのが特徴です。
費用(保険適用・3割負担)
メラノサイトの働きを活性化させる作用があります。単独よりも、ステロイドと併用することで効果が高まります。
費用(保険適用・3割負担)
※外用療法の月額合計目安:2,000円〜6,000円
特定の波長(311nm付近)の紫外線を全身または広範囲に照射します。週1〜3回の通院が必要ですが、広範囲の白斑に効果的です。
費用(保険適用・3割負担)
より強力な紫外線を、白斑部分だけにピンポイントで照射する治療法です。この治療法は、従来の光線療法で効果が不十分だった方にも、新たな選択肢として注目されています。
メリット:
デメリット:
費用(保険適用・3割負担)
光線療法の月額合計目安:4,000円〜20,000円
※通院頻度と照射範囲により大きく変動します
正常な皮膚から薄い表皮を採取し、白斑部分に移植する方法です。白斑が1年以上進行していない「安定期」の患者さんが対象となります。
適応条件:
費用(保険適用・3割負担)
外科的治療の総額目安:35,000円〜90,000円
※手術は通常1回で完了しますが、術後数回の通院が必要です

医療用のカバーメイクで白斑部分を目立たなくする方法です。「治療」ではありませんが、日常生活のストレスを大幅に軽減できます。
こんな方におすすめ:
費用(自己負担)
カバーメイクの月額費用(消耗品補充):約3,000円〜7,000円
多くの医療機関で、専門のスタッフがカバーメイクの指導を行っています。一人で悩まず、相談してみることをお勧めします。
「授乳中だけど、白斑治療は受けられる?」という不安を抱える方は少なくありません。結論から言うと、授乳中でも選択できる白斑治療はあります。
塗布部位が赤ちゃんの口に直接触れない場所であれば、専門医の管理下で使用可能です。授乳直後に塗布し、次の授乳前に洗い流すなどの配慮が必要です。
照射部位が限定的で、母乳への移行リスクがほとんどないため、授乳中でも選択されやすい治療です。週1〜2回の通院が基本で、1回の治療時間は数分程度です。
「授乳中だから何もできない」と諦める必要はありません。病変の部位・進行度・授乳計画を総合的に判断し、あなたに合った治療を組み立てることが可能です。一人で悩まず、まずは皮膚科に相談してください。
Q1. 白斑は完治しますか?
Q2. 白斑は放置するとどうなりますか?
Q3. 白斑治療はどれくらいの期間続ける必要がありますか?
Q4. 白斑は遺伝しますか?子供にも出ますか?
Q5. 白斑の部分は日焼けしますか?紫外線対策は必要ですか?