「脱毛には『硬毛化』のリスクがあるって聞いたけど本当?」
脱毛前よりも毛が濃く硬くなる現象の「硬毛化」に不安を持つ方も多いのではないでしょうか?
せっかく脱毛をしているのに今より毛が濃くなる事態は避けたいですよね。
しかし結論から言うと、予防策や対処方法を知っていれば避けられる可能性が高いです。
そこで今回は硬毛化の症状や見分け方・起こる原因を詳しく解説します。
また硬毛化したときの治し方についてもまとめているので、既に症状がみられる方も必見です。
硬毛化のリスクを避けたい方はぜひ脱毛前に確認しましょう。
なお硬毛化の予防には医療脱毛クリニックでの脱毛もおすすめです。
他の記事や下記では、おすすめの医療脱毛クリニックをまとめているので参考にしてみてください。
硬毛化とは?脱毛による硬毛化の基礎知識
まずは、硬毛化について知っておくべき基礎的な情報についてくわしく解説していきます。
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脱毛による硬毛化の症状・見分け方
硬毛化とは、脱毛前よりも毛が濃くなったり固くなってしまったりする現象のことです。
硬毛化を見分けるためのポイントとしては以下のような症状が挙げられます。
- 周囲の毛と比べて毛質が硬く濃くなっている
- 周囲の毛と比べて毛の密度が高くなっている
- 産毛が多い部位に太い毛が生えてきた
硬毛化を見分けるには「周囲の毛と比べた場合」に毛質の違いを感じるかどうかを目安にしましょう。
ただし脱毛後に毛が抜ける際の一時的な状態という可能性もあるため、施術後に毛質変化を感じたからといって焦りは禁物です。
脱毛で硬毛化が生じるタイミング・施術回数
硬毛化が自分で確認できるタイミングは施術の約1カ月半~2カ月後と言われています。
これは、すぐに症状が現れるわけではなく、脱毛の施術後に新しく生えてくる毛が硬毛化していくためです。
また硬毛化が起きるのは、脱毛をスタートして施術4~5回目のタイミングが多いとされています。
※参考:Hair Stimulation Following Laser and Intense Pulsed Light Photo-Epilation: Review of 543 Cases and Ways to Manage It
硬毛化が心配な場合は施術4~5回目の施術を受けてから、1カ月半~2カ月後の毛質をチェックするのがおすすめです。
脱毛で硬毛化が発生する確率
脱毛で硬毛化が起きる確率は0.6%~10%程度と考えられています。
※参考:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20100274
数値からも分かる通り硬毛化が起こる確率は決して高くないため、そこまで神経質になる必要はありません。
しかし確率は0%ではなく、硬毛化は脱毛をしている人であれば誰にでも起こる可能性がある現象です。
脱毛をしている人は硬毛化について正しい知識を身に付け、起きていないか時々チェックしておきましょう。
硬毛化と増毛化の違い
「増毛化」とは、これまで生えていなかった毛穴から毛が生えてくるようになり、毛が増えてしまう現象です。
硬毛化は増毛化のように毛の数が増えるのではなく、毛の濃さや太さが変化するという違いがあります。
硬毛化と増毛化の違いについて、以下の表にまとめてみました。
毛の本数 | 毛の濃さ(太さ) | 症状が出やすい部位 | |
---|---|---|---|
増毛化 | 増える | 変化しない | 産毛など薄い部位 |
硬毛化 | 変化しない | 増える | 産毛など薄い部位 |
硬毛化と増毛化は、どちらも脱毛前よりも毛が減らない(減ったように感じられない)という点で共通しています。
脱毛後に毛の量が増えたように感じた場合は、増毛化なのか硬毛化なのかチェックしてみることがおすすめです。
脱毛による硬毛化のおもな原因(仮説)
脱毛によって硬毛化が起きる根本的な原因についてはまだ未解明な部分も多いですが、今回は有力な2つの説を紹介します。
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毛根へのダメージ不足
脱毛で硬毛化が引き起こされるのは、『毛根へのダメージ不足』が原因なのではないか、とする説があります。
脱毛は毛根にダメージを与えて発毛組織を破壊することで毛を生えなくする施術です。
しかしダメージが足りず発毛組織が破壊できなかった際は、ダメージから回復するため傷を治す作用が働きます。
この傷を治す過程において、次に生えてくる毛が強く硬くなる現象(硬毛化)が発生すると考えられます。
レーザー・光による毛の活性化
次に紹介するのは、『レーザー・光による毛の活性化』が硬毛化の原因になっているという説です。
レーザー脱毛機や光脱毛機は、ムダ毛に対して光線を照射し発毛組織にダメージを与えることで脱毛効果を発揮するもの。
しかし光線によるダメージが発毛組織に十分に伝わらなかった場合、発毛組織が破壊できないことがあります。
この時のダメージが発毛組織への刺激となり、かえって毛を活性化させてしまうことが硬毛化の原因と考えられています。
脱毛で硬毛化になりやすい人・部位【特徴】
脱毛で硬毛化しやすい人の特徴や部位の特徴について、くわしくまとめました。
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脱毛で硬毛化になりやすい人の特徴(体毛が薄い)
まず脱毛で硬毛化しやすい人の特徴として、『体毛が薄い』という点が挙げられます。
細く薄い毛は照射に対する反応が弱く、硬毛化の原因となる毛の活性化などを引き起こしやすいためと考えられます。
他にも、毛根が深い位置にある人や毛の密度が高い人についても硬毛化が起きやすい傾向です。
硬毛化しやすい人の特徴 | 硬毛化しやすい理由 |
---|---|
体毛が薄い人 | 毛が細いことで照射の反応が悪く、毛の活性化が起こりやすい |
毛根が深い位置にある人 | 照射が毛根まで届きにくいためダメージ不足が起こりやすい |
毛の密度が濃い人 | 照射が均一に当たりにくく、ダメージ不足など反応にバラつきが発生しやすい |
ただし、これらの特徴に当てはまるからといって必ず硬毛化するわけではありません。
こうした自分の毛質について何か不安なことがあれば、脱毛前にクリニックの医師に相談しておくことをおすすめします。
硬毛化しやすい部位(顔・うなじ・背中)
硬毛化は、毛質が細く薄い部位で発生しやすい傾向があります。
- 顔
- うなじ
- 背中
- 肩
- お腹
- 二の腕
- 太もも
産毛が多い部位である顔やうなじ・背中・他にも二の腕・ふとももなどが硬毛化しやすい部位です。
顔回りでは、もみあげから顎下のフェイスラインにかけて硬毛化が発生しやすくなっています。
特に首のうなじから背中にかけては自分で確認しにくく、硬毛化していても気付きにくいため注意が必要です。
逆にVIOや脇・男性の髭など毛質が太く濃い部位については硬毛化が発生しにくいといわれています。
脱毛による硬毛化は治らない?なってしまった時の対処法・治療
脱毛によって硬毛化が起きてしまった場合、すぐに元の状態に治すことは残念ながら難しいと言えます。
硬毛化してしまったと感じた時は、自己判断は避けてクリニックの医師に相談することが大切です。
クリニックが行う硬毛化への対処例としては、以下のようなものが考えられます。
対処例 | 内容 |
---|---|
脱毛方式を続ける | 引き続き脱毛を進め、硬毛化してしまった部分を薄くしていく |
脱毛を休止する | 経過を観察しながら毛周期などによって元の状態に戻ることを目指す |
脱毛方式を切り替える | 脱毛機の出力を調整・機種を変更することで硬毛化した箇所を脱毛する |
硬毛化への対処はクリニックごとに違うため、脱毛前のカウンセリングで確認しておくのがおすすめです。
硬毛化の治療
脱毛で硬毛化してしまっても、適切な対処で治療可能な場合もあるため心配しすぎる必要はありません。
硬毛化に対する具体的な治療方法は以下の3種類です。
- 追加で照射する
- 脱毛機を変更する
- 針(ニードル)脱毛する
硬毛化してしまった箇所は、毛が濃くなった分脱毛機への反応がよくなるため追加で照射を行うことで治療に繋がることがあります。
追加照射でも改善しない場合、「光脱毛から医療脱毛」「熱破壊式から蓄熱式」など脱毛機を変更することで良くなる場合があります。
また硬毛化をすぐに治したい場合は、針脱毛という方法で脱毛する方法もあります。
毛穴に針を入れて電気を流し、毛1本ずつを破壊して脱毛する方法。
以前は主流の脱毛方式でしたが、痛みを伴うことや費用も高額であることから、現在は限られた医療クリニックのみで行われています。
脱毛による硬毛化はどうすれば防げる?リスクを減らす方法
脱毛による硬毛化リスクを少しでも減らしたい場合、以下のような防止策があります。
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毛抜きをしない
毛抜きを使って毛を抜いてしまう行為は、硬毛化のリスクを高める原因のひとつです。
自己処理で毛抜きをしてしまうと毛根部分へのダメージとなり、硬毛化につながる可能性があります。
また毛を抜いた部分は脱毛機が反応しないため、脱毛の施術効果も得られなくなってしまいます。
クリニックなどで脱毛している場合は特に、毛抜きでの自己処理は避けたほうが良いでしょう。
高い出力で脱毛してもらう
硬毛化を予防するには、高い出力で脱毛してもらうのも大切なポイントです。
脱毛による硬毛化の要因のひとつが、脱毛機の出力が弱く毛根へのダメージが不十分になってしまうこと。
店舗で脱毛の施術を受ける場合、出力の調整は施術スタッフが行うことになります。
もともと体毛が薄い・産毛が多い部位を脱毛する際は、出力を高くしてもらえないか前もって相談しておきましょう。
ただし出力を高くすると痛みも強くなる傾向があるため、その際は麻酔クリームを併用するなど対策しておくのがおすすめです。
医療脱毛クリニックで脱毛する
硬毛化を予防するには、医療脱毛クリニックで脱毛するのがおすすめです。
高出力の脱毛機を使用すれば、毛根までしっかりとダメージを与えることができて硬毛化を防げる可能性が高くなると考えられます。
医療脱毛クリニックなら資格を持つ医療従事者が施術を行うため、出力の高いレーザー脱毛機による脱毛が受けられます。
また、自分が硬毛化しやすい毛質であるか、医師に直接相談できるのも医療脱毛クリニックを利用する大きなメリットです。
硬毛化が不安な人向けクリニック選びのポイント
硬毛化が不安な人向けの、脱毛クリニック選びのポイントとして以下の2つがあります。
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硬毛化しにくい脱毛機がある
硬毛化を防ぐには、硬毛化しにくい脱毛機を選択することも重要なポイントと言えます。
現在は脱毛機にはさまざまな種類があり、どの機種を導入しているかどうかもクリニックによってさまざまです。
以下に、それぞれの特徴についてまとめてみました。
レーザーの種類 | 硬毛化しにくさ | 特徴 |
---|---|---|
YAG(ヤグ)レーザー | ◎ | 毛根の深い部分までダメージを与える |
ダイオードレーザー | 〇 | 産毛に効果が期待できる |
アレキサンドライトレーザー | △ | 脱毛による刺激が少ない |
方式の種類 | 硬毛化しにくさ | 特徴 |
---|---|---|
蓄熱式 | ◎ | 毛根の毛の成長を促す組織のみにアプローチして破壊する |
熱破壊式 | △ | 高出力のレーザーで発毛組織を破壊する |
硬毛化の予防という観点で考えると、蓄熱式ダイオードレーザーを導入している脱毛クリニックがおすすめと言えます。
硬毛化保証がある
脱毛クリニックを選ぶ際は、『硬毛化保証』があるかどうかをチェックしましょう。
できる限り気を付けていたとしても、硬毛化リスクをゼロにすることは難しいです。
また、一度硬毛化が起きてしまうと、太くなった毛の脱毛に時間がかかり、契約コースの回数では脱毛しきれない可能性があります。
しかし硬毛化保証がある脱毛クリニックなら、無料での再照射などさまざまな保証を受けることが可能です。
クリニック | 硬毛化への対応例 |
---|---|
東京中央美容外科 | 医師に硬毛化と診断された場合、1年間に2回、無料で照射を受けられる (※硬毛化と診断された部位に限る) |
レジーナクリニック | 医師による硬毛化の判定後、次回の照射時に出力を高めて照射 |
クレアクリニック | 硬毛化が起こってしまった場合、脱毛コース終了後に1年間の無料照射を保証 |
リゼクリニック | 脱毛コース終了後に硬毛化してしまった部位に対して最大1年間無料で再照射を保証 |
湘南美容クリニック | 医師による硬毛化の判定後、対象部位は期間を明けて照射 (施術前後の写真判定が必要となる場合あり) |
硬毛化の治療は長くかかる場合もあるため、保証がなるべく充実している脱毛クリニックを選択しましょう。
脱毛後の硬毛化によくある質問|Q&Aまとめ
ここでは、脱毛後の硬毛化に関するよくある質問・疑問をまとめてみました。
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脱毛による硬毛化は放置すると自然に治る?
脱毛による硬毛化は、そのまま放置すれば自然に治る可能性もあります。
硬毛化した毛にも生え変わりのサイクルがあり、周期が来れば自然と抜け落ち新しい毛が生えてきます。
放置による自然治癒を目指す場合に覚えておいてほしいことは、以下の4つです。
- すぐに元の毛質に戻るわけではない
- だいたい半年から1年程度時間がかかる場合もある
- 元の毛質に戻るだけで脱毛されるわけではない
- 放置すればいつか必ず元に戻るという保証はない
硬毛化した部位が気になって放置できない・半年や1年も待てない人には、あまりおすすめできない方法と言えます。
硬毛化は脱毛を続けると治る?
硬毛化してしまった毛は、そのまま脱毛を続けることで治ることも。
硬毛化で濃く太く変化した毛は、硬毛化前よりも脱毛機の照射に強く反応しやすくなっています。
同じ出力で脱毛を続ければ、硬毛化してしまった部位を含めて脱毛を進めることが可能です。
硬毛化の状態によっては波長の違う機種に変更したり、脱毛機の出力を高くしたり、逆に出力を下げた方が効果的な場合もあります。
硬毛化しているのではないかと感じた際は、通っている脱毛クリニックの医師になるべく早く相談しましょう。
メンズ脱毛するとひげは硬毛化する?
一般的にメンズ脱毛で施術するひげなどの濃い毛の部位では、硬毛化が起きにくいでしょう。
硬毛化の多くは、背中や二の腕などの産毛が多くある部位で起こります。
女性の口周辺は産毛のため硬毛化リスクが高いですが、男性であれば口周辺の毛質が濃く硬いため、硬毛化リスクが低いと言えます。
また硬毛化と間違われることが多い似たような現象として、脱毛直後に口周りの毛が濃くなる「泥棒ひげ」という現象があります。
泥棒ひげと硬毛化の違い | 症状が現れる時期 | 特徴 |
---|---|---|
泥棒ひげ | 脱毛直後~2週間後 | 髭が抜け落ちれば症状は治まる |
硬毛化 | 施術から1カ月半~2カ月後 | 産毛の多い部位で発生しやすく、男性のひげ脱毛で硬毛化することはあまりない |
泥棒ひげは、脱毛によって毛が抜け落ちる前の一時的な現象なため、硬毛化と間違えないように注意が必要です。
家庭用脱毛器でも硬毛化する?
家庭用脱毛器を使った脱毛でも、硬毛化する可能性があります。
家庭で誰でも使用できる脱毛器の出力は、脱毛クリニックで使用される脱毛機よりもかなり低く設定されています。
低出力の脱毛器は毛根へのダメージ不足や毛の活性化の要因となるため、家庭用脱毛器は硬毛化リスクが高い脱毛方法です。
家庭用脱毛器には、人に体を見られることなく好きなタイミングで脱毛することができるというメリットがあります。
しかし硬毛化リスクといったデメリットもあるという認識を持っておくことが重要です。
脱毛すると毛が濃くなる?
「脱毛すると毛が濃くなる」という噂もありますが、脱毛したからと言って必ず毛が濃くなるわけではありません。
脱毛の施術後にかえって毛が濃くなったように感じる現象は「硬毛化」や「増毛化」と呼ばれ、脱毛にまれに見られる副作用です。
なお発生するのは産毛が多い部分で、脇やVIO・メンズ髭などの毛が濃い部分ではあまり見られません。
脱毛で毛が濃くなる現象の原因はまだ未解明ですが、脱毛機の出力不足が多いです。
こうしたことから、出力の高い脱毛機を扱える脱毛クリニックで脱毛をしてもらうのが、硬毛化や増毛化を防ぐ方法の一つと言えます。
脱毛すると必ず硬毛化するわけではない!カウンセリングで不安を払拭
脱毛による硬毛化は、必ず起きるわけではありません。
硬毛化が起きる確率は0.6%~10%と言われ、実際に硬毛化してしまう可能性はあまり高くないと言えます。
ただし、脱毛する限り硬毛化する可能性はゼロではないため、硬毛化の予防法や治療法など正しい知識を身に付けておきましょう。
- 脱毛後に脱毛前よりも毛が濃く太くなってしまう現象を硬毛化と言う
- 硬毛化が起きる確率は全体の0.6%~10%程度と低い
- 硬毛化が発生するのは施術を受けてから1カ月半~2カ月後
- 硬毛化の多くは産毛部分で発生し、元々毛が太い部分ではあまり発生しない
- もし硬毛化してしまってもさまざまな対処方法がある
- 脱毛機の中では蓄熱式ダイオードレーザーやYAGレーザーが硬毛化しにくい
- 硬毛化保証のある脱毛クリニックがおすすめ
硬毛化について不安なことは、脱毛を受ける前にカウンセリングでしっかりと確認することをおすすめします。
この記事の監修者
女医によるファミリークリニック院長
難病指定医
キレーション認定医
小児慢性特定疾患指定医
子どもの心相談医
高濃度ビタミンC点滴療法認定医
金沢医科大学医学部出身。
自身の出産をきっかけに「家族みんなを診察できるクリニックをつくりたい」という想いから、女医によるファミリークリニックを開業。
ロート製薬 お肌のお悩み相談室 質問相談 担当医など、雑誌やTVなど多数メディアに出演経験あり。